パルシステムでは、「ご利用者のできることを増やし、ふつうのくらし」を取り戻す自立支援介護「生協10の基本ケア」を習得するための独自の認定制度を設けています。
5月22日(金)に指導者クラス(トレーナー・トップ・セミトップ)の交流会とトップ認定者による実践・事例報告会を開催いたしました♪
前半の指導者交流会では、冒頭にパルシステム生協10の基本ケア推進中央委員会委員長であるパルシステム千葉 介護事業部の伊藤部長より開催のご挨拶をいただきました。日頃のケア浸透への取り組みに対する感謝の言葉とともに、自立支援介護の成果を事業所内にとどめることなく、ご家族やケアマネジャー、地域へ積極的に発信していくことの重要性についてお話しいただきました。

次に基調報告として、パルシステム連合会 総合福祉事業推進室の沖倉室長より「パルシステムグループにおける『生協10の基本ケア』の取り組みと今後の方向性」について講演をいただきました。

全国の宣言法人が45法人へ拡大した推進状況をはじめ、ケアの宣言後8年目を迎えたパルシステムの現状と中期計画の進捗状況、そして2027年度の介護報酬改定を見据えた「アウトカム評価への移行」「LIFE関連加算の2層化」などについてご説明いただきました。改めて自立支援介護の重要性と事業所に求められる役割、機能について、指導者クラスの皆様と認識を共有することができました。
ここからは、グループ交流会として参加者が今年度4月に実施した「自己評価チャート」と「全体評価」の結果を基に、現状分析を行いました。このツールは「現状の可視化」と「成長と課題の発見」を目的とし、「生協の目指す介護」をはじめとする5つの大項目において、チームの現在位置を客観的に把握し、継続的な改善に活用しています。

各事業所の推進状況や成功事例、課題解決に向けた実践について、指導者同士で意見交換を実施しました。事業所ごとの強みや環境づくりの工夫など、現場ならではの貴重な情報を共有し、相互学習の機会となりました。

後半は、いよいよトップ認定者による事例・普及活動報告です♪
CASE1 「これからも住み慣れた自宅で息子と暮らしたい。」
~パルシステム東京 江戸川陽だまり 塩野千恵子さん(訪問介護管理者)~

90歳代・要介護4のご利用者の想いに寄り添い 、「第2章床に足を着けて座る」「第3章トイレに座る」を軸に下肢を使う生活構築を実践した事例です 。徐々にADLが低下し、期中に体調を崩されて最終的にはご逝去されるという大変切ない最期を迎えられましたが 、状態が低下する前日までトイレに行かれ、口から食べるケアを最期まで粘り強く続けられました 。床に足を着けること、口から食べることの重要性を改めて深く見つめ直す貴重な学びとなりました 。
CASE2 「1日でも長生きしたい。施設は嫌だ、ずっと家で元気に暮らしたい。」
~パルシステム東京 江戸川陽だまり 塩野千恵子さん(訪問介護管理者)~

同じく90歳代・要介護4の独居のご利用者の夢や希望に対し 、「第2章床に足をつけて座る」「第3章トイレに座る」「第4章あたたかい食事をする」を実践した事例になります 。
日々のヘルパーによる適切な排泄・食事支援・口腔ケア等の関わりによって生活の土台を整えた結果 、大きなADLの低下を防ぐことができ、直近の認定更新ではなんと要介護4から「要介護3」へと改善! 大好きな納豆ご飯を食べて体重も増えるなど 、ご本人の「当たり前のくらし」を支え続けている素晴らしい好事例です 。
CASE3 「生協10の基本ケア普及活動報告」
~パルシステム神奈川 福祉事業課 蕨優さん(主任)~

今回は実際のケース事例ではなく、地域への「普及活動」に重点を置いた報告をいただきました 。
組合員向け学習会では、介護が始まる前の段階から基本ケアの理論や実技(床からの起こし方、車いす移乗など)を伝えることで、予防や介護負担軽減につながる視点を提供しました 。また、自組織のヘルパー向けにも「単に身体のお世話をするだけでなく、最期まで尊厳を持って生き抜くことを全力で支える」という意識改革の研修を重ねられ 、組織の底上げを図るプロフェッショナルな取り組みを共有いただきました 。
CASE4 「このまま家でずっと暮らしていたい。みんなに良くしてもらっている。これからもよろしくお願いします。」
~パルシステム東京 上町陽だまりだんらん 芝原雅博さん(通所介護管理者)~

90歳代・要介護3(認知症高齢者自立度IV)のご利用者とご家族の願いに応え 、「第3章トイレに座る」「第4章あたたかい食事をする」にアプローチした事例です 。
自宅のトイレ内での転倒をきっかけにデイサービスでの歩行・トイレ動作のバランス訓練を徹底した結果 、身体機能が向上し、いすへの移乗や更衣、立ち上がり動作の数値が目に見えて改善されました 。残念ながら急逝されてしまいましたが 、93歳のお誕生会をお祝いできるまで、できることにこだわり抜いたサポートをチームで実践されました 。
CASE5 「三角移乗・お尻上げ体操の実践とコミュニケーションの連動」
~パルシステム千葉 にじいろぱる市川里見 並木美也子さん(通所介護管理者)~

事業所全体で生協10の基本ケアを定着させるため、日々の集団体操に「お尻上げ」を組み込んだり、双六のマス目に「お尻上げ体操3回」を作ってゲーム感覚で実践回数を増やすユニークな工夫が報告されました 。
頭を下げるおじぎ動作が苦手なご利用者には、職員が深く頭を下げて「こんにちは」と挨拶を交わすことで、自然な動きを真似してもらうアプローチを習慣化 。この前かがみ姿勢は、排尿時にいきむことが難しい方のサポート(腹圧をかける状態づくり)にもつながり 、利用者様からも「こっちの方が立ちやすいね!」と嬉しい声が生まれています 。
CASE6 「職員全員が生協10の基本ケアを徹底して推進、実施する」
~パルシステム東京 八潮陽だまり 清水結花さん(センター長)~

事業所の強みとして「職員全員での生協10の基本ケアの徹底」を掲げ、入協職員向け導入研修の随時実施や、ケース会議による技術統一・個別機能訓練の連動を強化した組織的な推進計画が報告されました 。
足底接地のための足台利用の徹底や、全員での「三角移乗」「お尻上げ」を意識した介助の結果 、職員自身が自立支援の視点を常に持つようになり 、ご利用者からも「自宅では常時おむつの方が、デイではトイレで排泄することが習慣化できた」といった劇的な変化を生み出しています。
最後に2026年2月7日に初開催された一般社団法人 全国コープ福祉事業連帯機構主催の「全国事例発表会」の報告です 。
全国から15法人・約400名がオンライン等で参加し活発な質疑応答が行われたことや 、パルシステム東京 上町陽だまりだんらん 芝原雅博さん(通所介護管理者)の事例発表が「生活の再建アセスメント賞」を受賞した喜びを全体で共有しました 。

以上、今回は盛りだくさんとなる6つの活動・事例を共有させていただきました♪
今回の事例報告会は3回目の開催となりますが 、トップ認定者を中心とした皆さまの弛まぬ努力によって、着実に「生協10の基本ケア」の成果と利用価値が可視化されていることを実感できました 。 一人ひとりのできることを増やし、その人の思いや願いを実現するために ――。改めて、ご利用者様のふつうのくらしを支えた職員の皆さまに心より感謝申し上げます!
今回の学びをパルシステムグループ全体でしっかりと共有し、ケアのさらなる定着と底上げに向けて水平展開していきたいと思います!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました(≧▽≦)
~自立支援介護の実践にあたり、あなたの力が必要です!!~
パルシステムグループでは、一緒に働く仲間を募集しております!!
さまざまな研修を企画し、スキルアップできる機会を提供しております♪
下記の採用ページをご覧いただき、自立支援介護の実践にお力をお貸しください♪
※パルシステム東京: 介護支援専門員 / 訪問介護スタッフ / グループホーム / デイサービス
※パルシステム神奈川:介護支援専門員/訪問介護スタッフ
※パルシステム千葉: サービス付き高齢者向け住宅スタッフ / デイサービススタッフ
江田和彦(パルシステム生活協同組合連合会 運営本部 総合福祉事業推進室)
大学で高齢者福祉を専攻し、特別養護老人ホームで介護職員、生活相談員、介護支援専門員として勤務後、パルシステム連合会に入協しました!
事業支援や研修の企画・運営、生協10の基本ケアトレーナーとして日々奮闘しております♪

