この度、今年度第2回目となる「生協10の基本ケア ミドル研修」を12月11日、12月18日の2日間にわたり開催いたしました！
ミドル研修は、「生協10の基本ケア」を現場で実践・指導できるレベルで習得することを目標としています。
単なる技術の習得に留まらず、「なぜそうするのか」という深い理論を理解し、事業所内でのケアの浸透を目指します。
🧠 「なぜ？」を追求する、指導者としての視点
スターター研修で実技手順を習得しておりますが、本研修でさらに一歩踏み込み、人の自然な身体の動き、支持基底面と重心の関係性といった身体メカニズムを深く学習しました。
私たちは、「なぜその手順で実践するのか」「なぜその箇所を支えるのか」といった疑問に対し、ご利用者の「している・できる力」を見つけ出すアセスメントの重要性と紐づけて、明確な根拠を持って指導ができるように理解を深めました。
こちらは、1日目の起き上がり介助と三角移乗の実践です！
オンライン会場では、セミトップ認定を受けた補助講師にもご参加いただき、指導のポイント等についてアドバイスをいただきました♪
「起き上がり動作」「適切な座位姿勢」「立ち上がり動作」等、できる動作とできない動作を見極めることはもちろんのこと、できない動作のどこができないかを見極めるなど1つの動作や生活行為を細かく分解すること、そしてその場面だけの支援にならないように、できづらさを把握し、適切に能力を発揮できるように日常生活のなかから動作に関わっていくこと、「できない」という結果ではなく、「どうしたらできるのか」という視点で想像力を駆使し、それをチームで支援すること確認しました！！
🚽 現場を変えるこだわり：「後方介助」の徹底
特に、トイレ介助ではファンレストテーブルを活用した「後方からの移乗介助」の演習を行いました。
前方介助は、ご利用者の立ち上がりの動作を妨げてしまうことに加え、過剰介助となりやすく、介助者の腰痛リスクにもつながるのに対し、後方介助は、
・利用者様が前かがみ姿勢をとりやすく、ご自身の筋力を最大限に活用できる。
・ファンレストテーブルに手をつくことで支持基底面が広がる。
・前傾姿勢を保持することで、自然な排せつ動作に繋がる。
というメリットを深く体験し、「ご利用者の自立支援」と「介助者の負担軽減」を両立させる技術を確認しました！
🛁 浮力体験で理解する「できる」を活かす入浴介助
最後の入浴介助では、実際に浴槽にお湯をためて演習し、「浮力」を体験してもらいました。身体が軽く感じられ、筋肉や関節への負担が軽減されることを体感することで、ご利用者が自宅の浴槽で入浴できることを目指すための必要な技術と、チームでのアセスメント・統一したケアの重要性を再認識しました。
🗣️ 参加者アンケートから見る確かな手応え（満足度100%！）
1.5日間の濃密な研修は、参加者の満足度100％という結果とともに閉会しました。
参加者からは、現場でのケアの浸透に向けての前向きな声が多く寄せられました。
・ご利用者のタイミングを待つこと、三角移乗の意味や継続していくことが自立支援になることを改めて学ぶことができた。
・自分の言葉で生協10の基本ケアをどうして重要なのか、推すのかなど職員さんに説明できるようにしたい。
・浅く座ること、手をついておじぎをして立ちあがっていただくことが全ての介助につながってくることを理解できた。
・チームで共有してケアに臨む事を改めて次回のミーティングで問いかけたい。「お尻上げ」と「手をつく」の意味をしっかり説明できるようにしたい。
今年度第2回目を終え、参加者が事業所に戻り、理論に基づいた「生協10の基本ケア」を指導・実践することで、ご利用者の「できること」を活かす支援がさらに広がることを期待しています。
今後も各事業所の皆さまと連携し、生協10の基本ケアの浸透に向けた取り組みを推進してまいります！！
最後までお読みいただきありがとうございました(≧▽≦)
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江田和彦（パルシステム生活協同組合連合会 運営本部 総合福祉事業推進室）
大学で高齢者福祉を専攻し、特別養護老人ホームで介護職員、生活相談員、介護支援専門員として勤務後、パルシステム連合会に入協しました！
事業支援や研修の企画・運営、生協10の基本ケアトレーナーとして日々奮闘しております♪
